siar

Snowy Institute

CUIのアブソリュートエンコーダの仕様比較

CUI社製のアブソリュート・エンコーダを買ってみようと思ったのですが,比較情報が出てこなかったのでまとめてみます.ご参考まで.

概要

NHK高専ロボコン / 学生ロボコンなどで最近よく使われている(という噂の)CUI社製の静電容量式エンコーダですが,車輪計測等でよく用いられるインクリメント式だけでなく,アブソリュート式のエンコーダも存在しているらしいです.

モジュラー | アブソリュート | エンコーダー | CUI Inc

単価が5千円~ということで少しお高く感じられもしますが,高分解能(最小検出 0.2 deg. )であることやゼロ点の設定が可能なことなど,魅力も多いです.

また,通信方式や分解能が選択可能であるという,同一メーカによる品揃えの良さもあります.

しかし,比較表的なものが見つからなかったので,備忘録代わりにまとめておこうと思います.

型番

2019/10/5 現在,AMT20シリーズからAMT23シリーズまでが存在するようです.

同じシリーズ内では機能はほとんど同じです.しかし,型番の数字によっては,重要なところを見ると,

  1. コネクタの向き(軸方向/半径方向,20シリーズは軸方向のみ)
  2. 分解能 (12bit / 14bit)
  3. 通信速度 (AMT21シリーズのみ)

が異なるようです.

特にコネクタの向きについては,ハードウェア設計へも影響しますので,ご注意ください. 例えば,AMT21シリーズであれば,AMT212ではコネクタは軸の半径方向を向いていて,AMT213ではコネクタは軸方向を向いています. (AMT20シリーズは,軸方向仕様のAMT203番台しか存在しないようです.)

比較表

違いがあるところをまとめたものがこちらになります. or で列挙した項目については,同一パッケージで設定可能なわけではなく,ハードウェアに紐づいた型番依存になります.

比較項目 AMT20x AMT21x AMT22x AMT23x
通信方式 SPI RS-485 SPI SSI
最大通信速度 1 MHz 2 MHz or adjustable 2 MHz 2 MHz
チェックサム なし あり あり なし
分解能 12 bit 12 or 14 bit 12 or 14 bit 12 or 14 bit
複数回転対応 不可 不可 不可
最小動作電圧 4.5 V 3.8 V 3.8 V 3.8 V
コネクタ Samtec ISDF-07-D (-L) Molex 502578-0600 Molex 502578-0600 Molex 502578-0600

AMT20シリーズについて

AMT20シリーズのみ違うような例がいくつかありますが,これはそもそも他のものとは違う用途として販売されていそうです.

AMT20シリーズは ABZ相の波形も読める ので, インクリメンタルエンコーダとしても使える ようです. 他のシリーズはアブソリュートエンコーダとしてしか使えませんので,ここが差別化ポイントなのかなと思います.

おわりに

日本だと,MOUSERとか,Digi-Keyで買えるようです.

性能自体には申し分なさそうなので,買って遊んでみようと思います.